【株式会社Cavitte粟国傑社長】「The Guide」として企業と働き手を導く

人材紹介や採用業務の代行などといったより良い人材の確保に向けた業務全般を請け負うことで、沖縄の企業の発展を支援している株式会社Cavitteの粟国 傑代表に話を伺いました。

株式会社Cavitte
代表取締役
粟国傑さん

株式会社Cavitte代表取締役、人事支援アドバイザー。県内大手ホテル会社での人事経験や、世界的ブランドの飲料メーカーでの採用業務を経て、延べ1,500名以上の面接と400名の採用に携わる。2020年にCavitteを設立し、人事支援に取り組む。

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「出会い」で企業の成長を支援する株式会社Cavitte

弊社では「Creating a Vibrant Future – 活気のある未来を創造する -」という理念のもと、各種事業を行っています。パナソニックの創業者である故松下幸之助氏の「企業は人なり」という言葉が示すように、人材を育て、それをどう活かしていくかによって、企業の命運は大きく変わってきます。例えば、厚生労働省が令和5年度に実施した若年者雇用実態調査によると、はじめて勤務した会社を辞めた理由として「仕事が自分に合わない」と回答した若者の割合は21.7%を超えていました(※1)。これは言い換えれば、「自分に合った仕事内容の職場に就職できれば、早期離職のリスクを減らせる」ということになります。

より自分にあった企業との出会いは、その人だけではなく、その企業においてもメリットがあります。

というのも、株式会社アドバンテッジリスクマネジメントの調査によると、「働きがい」を感じている社員は、ワークエンゲージメントが高い傾向にあるそうです(※2)。ワークエンゲージメントの高い社員が、より良い成果を上げることは、想像に難くないかと思います。

このように、社員が自分に合った企業に就職することは、働き手にとってはもちろん、企業にとっても相乗的なメリットを生むことになります。

弊社では、企業活動の発展を支援する一環として、働き手が自分に最適な企業と出会えるよう、積極的にサポートを行っています。

粟国傑さん

社員の成長が企業の成長を支える : 成長の鍵は「考える力」と「ビジョン」

先ほど述べたように、「社員」は企業の成長と発展において非常に大きな影響を与えます。そのため、人材教育は非常に重要な役割を担っています。

特に「考える力」を育むことが必要となってくるでしょう。他者の指示に頼らず、自ら考え、問題を解決する能力は、企業の競争力と成長の礎となります。弊社では、この「考える力」を高めるために、社員にさまざまな挑戦の機会を提供しています。

「考える力」に加えて、重要な要素がもうひとつあります。それは社員の「ビジョン」です。今後の人材育成の場においては、その社員がどのようなキャリアプランを持っているかということだけではなく、その社員はどんな人生を送りたいと考えているのか、将来的にどのような状態を目指しているのかをしっかりと把握することが求められるでしょう。

そして、そのビジョンを企業のビジョンとどのように結びつけるかによって、企業の明暗が分かれると言っても過言ではありません。というのも、社員一人ひとりの個々の目標や価値観が、企業の目指す方向と一致することで、組織全体が一体感を持ち、共に成長できるからです。

社員の「ビジョン」を企業のそれと一致させるためには、企業側が自社のビジョンを再評価し、これを明確に言語化することが重要です。企業が自社のビジョンや理念をしっかりと言葉にしておくことは、人材確保にも大きな利点をもたらします。というのも、これにより、ビジョンに共感した人材が集まる可能性が高まるからです。現に、弊社においても、「Creating a Vibrant Future-活気のある未来を創造する-」という理念に共感して、門戸を叩いてくれた社員が少なくありません。

つまり、社員の「考える力」と「ビジョン」を育み、そしてこれを企業全体の力に変えていくことが、その後の企業経営を左右するのです。

新しい働き方への適応と企業の課題

粟国傑さん

近年は、リモートワークが急速に普及しています。令和1年時点ではリモートワーカーの割合は全国平均で14.8%でしたが、令和4年には26.1%に達しています(※3)。これにより、従来の働き方では、家庭の事情や健康上の理由により働くことが難しかった方々が、各々の事情に配慮しながら柔軟に仕事を行えるようになりました。例えば、あるデータによると、弊社が事業を行っている九州・沖縄では、労働力人口に占める潜在労働力の割合が、男性で0.2%、女性で0.3%となっていますから(※4)、リモートワークは、このような人たちの労働を促進するだけではなく、地域経済の活性化にも寄与しています。

このような「新しい働き方」を選ぶ人は決して少なくありません。実際、弊社でも外部の人材を積極的に活用しながら、業務を推進しています。これらの外部人材が提供する労働力を適切に活用することで、企業の成長を一層加速させられるでしょう。

しかし、一方ではこれらの「新しい働き方」に適応できている企業は決して多くありません。例えば、企業経営に携わっている多くの方々は、採用活動を社内で完結させるべきだと考える傾向にありますが、弊社のように、コンサルティングの一環として採用活動の代行を行っている企業も増えてきています。このような外部の支援を活用することで、企業はより効率的に採用活動を進められ、内部リソースを他の重要な業務に集中できます。

 能力重視の時代でも軽視できない『人間性』

粟国傑様さん

私は、これまで1600人以上の面接を行い、450名の採用に携わってきましたが、入社後、企業で優れた成果を上げ、成功を収めた人材に共通する特徴として「優れた人格を備えている」ことが挙らげられます。こうした人材においては、基本的なマナーを守ることに加え、謙虚な態度で自慢を避け、相手を尊重する姿勢が見られます。これにより、職場内で信頼を築き、より良いチームワークを形成できるのです。このような姿勢は、責任あるポジションや、取引先とのより良い関係の構築に繋がります。

近年では能力重視の傾向が強まり、スキル面にばかり注目が集まる一方で、人格的な側面が軽視されることがあります。しかし、ビジネス・仕事の多くは「ひとりでは成し遂げられない」ものがほとんどです。このような状況下において、他者からの信頼や協力を得られない人が成功を収めるケースは非常に稀でしょう。

企業の未来を築く『戦略』と『定着』

弊社では、採用の成功においては「戦略化」と「定着」が欠かせないと考えています。例えば、採用活動においては単に候補者を集めるだけでなく、企業のビジョンや文化に合った人材を見極め、計画的に採用する「戦略化」が必要です。さらに、採用した人材が企業に定着し、長期的に活躍できる環境を整えることも重要です。このように「戦略的な採用」と「人材の定着」を両立させることで、企業は安定した成長基盤を築き、競争力を強化できるのです。

そこで、私たちが弊社のサービスを利用してくださっている企業に対して特に強調しているのが、「受け入れ」の重要性です。多くの企業では、新入社員に対するフォローアップ研修や新人研修に力を入れている一方で、中途採用の社員に対しては十分なサポートが行き届いていないことが少なくありません。中途採用者は、即戦力として期待されることが多いものの、企業文化や業務プロセスに馴染むための時間や支援が不足していると、早期離職につながるリスクも高まります。私感とはなってしまいますが、どれほど優秀な方であっても、新しい環境に馴染むには、3ヶ月ほどの時間が必要となります。ですので、新しい社員が会社の文化や価値観にスムーズに適応できるような環境を、あらかじめ作って置くようにしましょう。

「受け入れ」を適切に行うことで、新しい社員が定着し、早期に企業にとって貴重な戦力となるだけでなく、職場全体に一体感が生まれ、長期的な成長を促進できるでしょう。

『The Guide』として企業と求職者を繋ぐ、株式会社Cavitteの新しい採用支援

粟国傑様さん

弊社では、不確実性の高い現代において、企業と人の成長を支援するため、「The Guide」を事業コンセプトとして掲げ、幅広い事業に取り組んでいま

す。ここまでに触れた人材サービス関連事業はもちろんのこと、一部の高校では、子どもたちにロールモデルを提供するプログラムも実施し、社団法人としてキャリア支援活動にも力を入れ、若者が未来に向けてのキャリアパスを描けるよう支援しています。

一方で、同様の事業を展開する企業が増えているため、必要とする方々に弊社のサービスを十分に届けられないという課題に直面しています。特に、近年新たな求人サイトやサービスが乱立しており、中には、企業側と求職者側の情報が非対称的で、適切なマッチングが難しいものも少なくありません。弊社では、このような情報格差を解消するために様々なアプローチを行っていますが、他社のサービスを検討する際には、複数のサイトやエージェントの情報を比較・検討することが重要です。そうすることで、成功への道筋を見出せるでしょう。今後も弊社は「The Guide」として、採用支援サービスや人材に関わる総合的なサポートを提供する企業へと成長し、企業と働き手双方が満足できる結果を導くための支援をさらに強化していきたいと考えています。

※1

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/4-21c-jyakunenkoyou-r05_07.pdf

※2

https://www.armg.jp/journal/337-2

※3

https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001733057.pdf

※4

https://www5.cao.go.jp/keizai3/monthly_topics/2023/0630/topics_072.pdf

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