ハイクラス人材の採用を効率的にサポートし「量よりも質」を重視するエグゼクティブサーチの会社であるRYZE Consulting 株式会社。
今回は、エグゼクティブサーチの内容やその対象者、キャリアアップの方法、外資系企業の労働環境と仕事の特徴についてお話を伺いました。
RYZE Consulting 株式会社
代表取締役
ウィリアム・デロームさん
2002年に来日後、東京で人材コンサルタントとしてITエグゼクティブサーチ分野で活躍。APACエリアでトップチームを率い、企業には戦略的な人材提案を、候補者にはキャリア支援を行う。カナダ・モントリオール出身でフランス語が堪能。趣味は旅行、歴史、温泉、娘と遊ぶこと。
エグゼクティブサーチとは経営幹部層にターゲットを絞って人材を探す仕事
エグゼクティブサーチとはどんな採用方法ですか?
エグゼクティブサーチは、企業の採用手法の一つで、経営層を対象に行われる特化型のヘッドハンティングです。
企業が高い専門性とリーダーシップを持つ人材をピンポイントでスカウトし、CEO、COO、CFOなどの経営層を直接採用します。
特に外資系企業では、日本市場進出時に小規模な組織を立ち上げることが多く、経営の舵取りを任せられるカントリーマネージャーやレプレゼンティブ・ディレクターなどが求められます。
エグゼクティブサーチでは、企業の戦略に合致する人材をエージェント(ヘッドハンター)が発掘し、アプローチします。
一般的な人材紹介との違いは?
通常の求人とは異なり、エグゼクティブサーチではヘッドハンターが企業の採用条件に合致するプロフェッショナルを広範囲から見つけ出します。
対象となる人材は、現職で活躍している場合が多いため、転職を希望しているわけではありません。
そこで、候補者には年収や労働環境だけでなく、将来のキャリア形成や企業の成長戦略の一端を担う可能性などを説明し、その仕事の魅力を伝える必要があります。
エグゼクティブサーチ対象者は?
エグゼクティブサーチの対象となる人材には、即戦力としてだけでなく、企業の成長を牽引するリーダーシップが求められます。具体的には、以下のような要素が求められます。
1.専門知識と実務経験
特定分野で10〜20年の豊富な経験を持ち、業界内での実績があること。
2.広いネットワーク
業界内の関係者と連携し、新規事業や提携先の発掘などを担えること。
3.戦略的思考と問題解決力
経営課題に対応できる戦略的な判断力や市場動向への理解が求められます。
4.マネジメント能力
数十名から数百名規模の組織を統率し、事業戦略や人材育成を行う能力。
5.グローバルな視野とリーダーシップ
特に外資系企業では、英語力と多文化チームを率いる力が重要です。
こうした実務経験や専門知識などのハードスキルに加え、リーダーシップやコミュニケーション力といったソフトスキルも重視されます。
ソフトスキルや人物像、これからのキャリア展望などは実際にお話しすることで知ることができます。
仕事のスキルだけでなく人柄やキャリアプランなどを含め、紹介先の会社の風土や文化などへの総合的な相性を考慮し、即戦力でご活躍する方をご紹介するのがヘッドハンターの仕事となります。
なぜ私が?エグゼクティブサーチが若手やミドル層にアプローチする理由
弊社はエグゼクティブサーチをメインにしていますが、若手やミドル層への採用支援も行うことがあります。
特に信頼されるエージェントとして、顧客企業から専任の依頼を受け、経営層以外のポジションを担当することも多いためです。
時には企業ホームページやSNSなどの一般的な情報源から候補者を探すこともありますが、エージェントの幅広いネットワークの中から評判のある方に声をかけるケースもあります。
ヘッドハンターから連絡が来たときの考え方
ヘッドハンターから突然の連絡を受けると、「なぜ自分に?」と驚かれる方もいらっしゃいます。
実は多くの案件は一般に公開されていない非公開求人であり、見込みがあると判断した方にのみ声をかけています。
そのため、ヘッドハンターからの連絡は、思わぬキャリアアップのチャンスにつながる可能性があります。
若い人がキャリアアップするための効果的な方法は?
若い世代がキャリアアップを目指し、人材市場で強く求められる存在になるためには、計画的にスキルを磨き、幅広い経験を積むことが重要です。
弊社でご紹介する優秀なビジネスパーソンの経歴からも、多くの成功の共通点が見えてきます。
以下に、特に効果的なキャリアアップ方法をご紹介します。
専門分野の確立と実績の積み重ね
まずは自分の仕事の範囲で専門分野を見つけ、その分野で経験と実績を積むことが大切です。
与えられた仕事をきちんとこなすのは当然ですが、次のステップでは自主的に考え周囲の期待を上回る結果を出すと、周囲からの評価が高くなります。
例えば業務を効率化することでより良い結果を出したり、現在の仕事に何か問題点があれば改善するようにします。
自ら課題を見つけ問題解決を行う姿勢があれば、実績が出しやすくなります。
常に「どうしたらもっと良い仕事ができるのか」を意識しましょう。
若いうちからのマネジメント経験
比較的早い段階でマネジメント経験を積むことも、キャリアアップに繋がりやすいです。
小規模なプロジェクトのリーダーや後輩の指導役を務めることで、リーダーシップスキルを育むことができます。
チームをまとめるスキルがあれば、スケジュールやリスクの管理の能力も付き、より責任の大きな仕事ができるようになるので昇進やキャリアアップへの大きなステップになります。
デジタルスキルの習得
ITやデジタルスキルの習得も、キャリア形成に有利です。
特にAI、データ分析、プログラミングなどのスキルは、多くの企業で重宝されます。
現在、DX(デジタルトランスフォーメーション)が重要視されており転職市場でニーズがとても高いので、こうしたスキルを持つことで給与アップを伴う転職もしやすくなります。
英語力の向上
英語力を高めることで、外資系企業や日本企業の重要職への転職の可能性も広がります。
特にキャリアアップを目指す若い世代には英語力の向上をおすすめします。
外資系に勤務する場合は成果主義なので、結果を出せば若くても責任ある仕事を任されることがありますし、またグローバルな環境で働くことにより、ビジネス的な視野も個人の視野も広がります。
また英語力があれば労働市場での価値がぐんと上がるので、転職時に同じスキルや経験でもかなり給与が上がりやすいです。
転職でのキャリアアップ
若い人材にとっては転職も有効なキャリアアップの手段です。
スキルや経験を活かして新たなチャレンジができる転職は、待遇や労働環境の向上にもつながります。
特に、転職エージェントの利用は自分の市場価値を把握し、より良い転職先を見つける手助けとなるでしょう。
リスキリング(仕事に役立つスキルや知識の習得)
近年、リスキリングが注目されています。
単なる座学ではなく、実務経験として新たなスキルを学ぶことができれば、学習効率も高く職務経歴書にも反映できるため、転職時に有利に働きます。
多くの優秀なビジネスパーソンは、実務を通してスキルを磨き、最終的にキャリアアップを実現しています。
なぜ外資系企業の給与は高いのでしょうか?
外資系企業の給与が高い理由には、様々な背景があります。
1.本社が高給与の国にあるため
外資系企業の本社は欧米など給与水準の高い国にあることが多く、日本支社でもその水準を反映していることが多く、そのため外資系企業の給与体系は日本企業よりも高く設定されていることが一般的です。
2.転職が当たり前&成果主義
外資系企業は転職してキャリアップすることを前提にした文化があり、優秀な人材を確保するために魅力的な給与を提示します。
特に成果主義を採用している企業が多く、実績を出した人には高い報酬が支払われる仕組みになっています。
これにより、特別なスキルがある人や実績を持つ人には高い給与が支払われやすいのです。
3.日本企業との違い
日本企業は年功序列型の給与体系を採用していることが多く、若年層の給与が抑えられる傾向にあります。
また長期的な雇用を前提にしており昇進や退職金を重視する一方、成果を上げても給与や昇進に反映されにくい傾向があります。
外資系企業の年齢に関係のない成果主義・能力主義とは対照的なため、結果的に外資系の給与が高く見えるのです。
グローバル化と日本企業の課題は?
日本は今後、人口減少とグローバル化の進展の中で生産性を高めていく必要があります。
日本型雇用の良さを残しつつも、外資系企業のような効率的な経営や成果を重視する労働環境の導入が、日本企業の生き残りには重要となるでしょう。
若い人も計画的にスキルアップを図ることで、長期的なキャリアアップができます。
外資系企業も転職の視野に入れるなら日本企業との違いを理解し、どちらが良いのか自分に合った環境を選ぶことも重要です。
日本企業と外資系企業の文化には、いくつかの違いがあります。
1. 終身雇用と年功序列 vs 成果主義
日本企業では、終身雇用や年功序列が根強く残っている企業が多く、会社に長く勤め社内異動や研修を通してゼネラリストとして幅広いスキルを身につける傾向があります。
一方、外資系企業では成果主義が基本で、評価は個々のパフォーマンスや目標達成度に基づいています。
昇進や給与も個人の業績が大きく影響し、実績や効率性が大切という文化の外資系企業が多いです。
2. 意思決定のプロセス
日本企業は協調性を重んじ、多くの関係者の合意を得て意思決定を行うため、時間もかかり、責任の所在が曖昧になりやすい傾向があります。
これに対して外資系企業はスピード感のある意思決定が特徴です。
成果が出なければ部署や個人として責任を問われる場面もあり、結果に対する責任も明確な傾向にあります。
3. 労働時間と働き方
日本企業では、長時間労働を貢献の証と見なす文化が根強く残る一方、外資系企業は効率的に成果を出すことを優先し、リモートワークやフレックスタイムが浸透しています。
また、ワークライフバランスも重視されており、定時に帰宅しても成果を出していれば評価されやすい傾向があります。
4. プライベートと仕事は分ける
日本企業では、職場での人間関係がプライベートに影響することも多いですが、外資系企業ではプライベートと仕事をはっきりと分ける傾向にあります。
飲みにケーション的な機会は少なく、あくまで職場は仕事をして収入を稼ぎ、自己実現するための一時的な場所と捉えている人が多いです。良くも悪くも人間関係にドライなのです。
外資系企業で活躍する人の特徴は?
外資系企業で求められるのは、以下のようなスキルや特性を持った人です。
- 高いコミュニケーション能力と自己成長への意欲
- チームワークを重視しつつも、個人の目標達成に責任を持つ
- ロジカルシンキングと問題解決力
- グローバルな常識や文化を理解し、異文化コミュニケーションができる人
日本では、空気を読んで波風を立てないようなコミュニケーションが好まれる傾向がありますが、海外では相手は自分とは違うバッググラウンドや価値観を持つという前提に基づき、自分の主張をロジカルに説明することで相手の理解を得るような主張型のコミュニケーションが必要になります。
また中途採用の転職では業界や職種に直結するスキルや経験値が高い人や、<営業×特定分野の専門知識>など複合スキルがある人は希少性が高く人材市場で引く手数多となります。
新しい物事や環境に対する柔軟性がある人は適応力が高いので転職先でも即戦力になりやすく、結果が出しやすいです。
転職前のミスマッチ対策はありますか?
転職の際には、企業文化や労働環境が自分に合うかどうかを確認することが重要です。
口コミサイトや元社員の話を参考にすることや、面接で積極的に質問して企業文化を把握することが効果的です。
例えばどのような基準で仕事や人事的な評価するか、また社内で大切にしているモットーなどを聞いてみても良いでしょう。
また転職エージェントは多くの企業の様子を知っているので、彼らから客観的な意見を聞くのも良い方法です。
日本企業から外資系企業への転職を考えている場合は、ご自分が外資系にマッチするかどうかも懸念となると思います。
候補者の方に外資系企業のお仕事を紹介する時、たまに「外資は厳しいから怖い」とおっしゃる方がいますが、一概にそうとも言えません。
米国系か欧州系かなど本社の国によってもカルチャーは違いますし、業種や日本での企業規模などによって様々な違いもあり、「外資=厳しい」というレッテルを貼らずに、個別に企業文化を見ていくことが大切です。
日本での設立が古く、日本人スタッフの割合が高い外資系企業であれば、文化的に比較的日本的な外資系企業もあります。
まずご自分がどういった方向性に進みたいのか、それを実現するのにはどんな環境が良いのかを考え、それに合致する企業かどうかをそれぞれ精査することが大切だと思います。
転職先の内定をもらったけど、本当に大丈夫?
採用企業にご紹介した方の採用が決まると、人材紹介会社は成功報酬として企業様から紹介料として、案件の難易度などにもよりますが年収の約3割程度を頂いております。
採用にあまり費用をかけない会社からすれば一見高いコストに見えるかも知れませんが、優秀な人材の採用は企業成長の要であり、適切な人材の採用で大きく生産性が上がるので、良い人材の採用は未来への必要な投資なのです。
もちろん採用は結局のところ採用企業と働く人の相性次第なので100%の正解はありません。
しかしエージェントを通じて採用活動する場合、専門的な第三者のスクリーニングもあり、転職後の活躍や定着率は高い傾向があります。
もし人材紹介会社から連絡が来た際には、採用案件に合うスキルの持ち主であろうというある程度の目星をつけてその方にお声がけさせて頂いておりますので、ご自分の人材市場の価値を知る上でも損にはならないかと思います。
とりあえず参考に話を聞いてみようと思って頂けますと、こちらとしては大変助かります(笑)
キャリアアップしたい若い人へのメッセージ
失敗を恐れずに行動しよう
「失敗は学びのレッスン」。失敗を恐れずに行動し、経験値を増やしていくことで自己理解が深まり、新たな道が開けることが多いものです。
安全志向に偏らずに新しい経験を積むことで、成長への道が自然と見えてきます。
失敗も次の行動に活かすことができれば、貴重な学びの機会となり成功への糧となります。
逆に学ぶ機会を失うので「行動しないことが一番の失敗」になることもあるのです。
PDCAサイクルで成長を加速
エグゼクティブ層の人々は、PDCA(計画・実行・評価・改善)のサイクルを高速で回している印象です。
経験の数が多いほど学びが増え、成長も早まります。彼らはビジネスだけでなく、人生を楽しんでおり、アクティブな趣味を持つ人も多く見受けられます。
実践こそが最強の学習
どの分野でも実践を通じた学習に勝るものはありません。経験を重ねることで、自分の強みや課題が見えてきます。
その都度改善し、行動し続けることで、自分の得意分野や適性を理解し、充実した人生を築けるようになるでしょう。
行動しないことこそが最大の損失
若い時は失敗を恐れがちですが、行動しないことで学びのチャンスを逃すのは大きな損失です。
失敗は「その時はうまくいかなかっただけ」であり、そこから学べば成長につながります。
若い時に行動と学びの機会を多く持つことで、成長の速度が上がり、将来の成功にもつながります。
優秀でなくても、長期の努力で追いつける
若い時に特に優秀でなくても、長期にわたって努力し日々成長していれば、スタートが遅かった人も追いつくことができます。
エグゼクティブ層でも、必ずしも皆様が有名企業での就職などキャリア的に高い位置からスタートしている訳でもありません。
途中で大きなキャリア変更をしている人もいますし、要は本人の努力次第です。若い方にも、地道に努力を続ければ報われることが多いと伝えたいです。
行動しない後悔は行動の失敗よりも大きい
人生での一番の後悔はやって失敗したことよりも、実は「やらなかったこと」だそうです。
行動しないことで、後になって「もしあの時にこうしていれば、もしかして違う結果だったかも知れない」という無限の可能性を想像することになってしまいます。
行動して失敗した方が、納得して次に進めることが多いものです。
自分の経験値を増やして世界を広げよう
特に若い人には、「失敗を恐れず、行動して経験値を増やそう」と伝えたいです。
RPGのように経験を積んで行けば能力も上がってゆき、自然に新しいステージに挑戦したくなるものです。新しい環境に飛び込むことも成長の絶好のチャンスです。
環境を変えることで成長を促す
環境を変えることはチャレンジであり、成長の機会です。今の環境で学びきったと感じたなら、転職など新しい環境に挑戦することも成長の一つの方法です。
ちなみに努力は大切ですが、努力の方向性が正しいのか、また努力が報われやすい環境にいるかどうかも大切ですので、それが実現できる環境を次のステージに選びましょう。
最後に。
RYZEはミドル層からエグゼクティブ層の人材紹介を主に行っており、外資系企業だけでなく日本企業にも幅広い職種や業界で対応しています。
また、ITなど革新的な技術を持つ企業様とのお取引が多い点が強みですが、得意分野に限らず幅広いニーズにお応えしています。
即戦力人材をお探しの採用担当者の方、もしくは転職に興味をお持ちの方、ぜひご連絡お待ちしております。
また弊社は社員に外国人も多く、年齢に関係なく実力で評価される環境ですので、ぜひ弊社で働いてみたいという方のご応募もお待ちしております。
最後まで読んで頂きありがとうございました。