【株式会社シンライフワーク社長】真の成功をつかむ経営者の思考法とマインドセット

株式会社シンライフワークの社長、河村さんは、これまで5つの会社で社長を務めてきました。初めての起業の際は失敗も経験したという河村さんが、これから経営者を目指す学生や社会人に向けて、起業を成功に導くために大切な価値観やマインドについて語ってくださいました。

株式会社シンライフワー
代表取締役
河村 直人さん

人材ビジネス業界で30年のキャリアを保有し、債務超過企業を1年半で黒字化・安定収入を生む企業にするなど、経営、事業の再構築・立ち上げ、吸収合併、統廃合から株式市場上場までを主導的立場で経験。2019年2月、活力ある社会の永続に貢献するべく、54歳で2度目の起業。現在は複数企業のアドバイザー、若手ベンチャー企業役員のメンター、社外取締役を務める傍ら、起業家への支援も精力的に実施している。

経営を志す学生へ:積極的な行動と学びを未来に繋げる

将来的に経営を志している学生たちにお勧めの学部ですが、自分が行きたいと思うところで学ぶのが1番良いと思います。学部よりも、学んだことを自分の中で振り返ることが大切です。

たとえば、今日学んだことがこれからの自分にどんな良い影響を与えるだろうか、今回の学びがどんな教訓になるだろうかといったように、振り返りながら未来を見据えて学んだことを味わうと良いですね。

アンテナを張り積極的に行動する

起業したいのであれば、すでに起業している先輩やそのような方のもとでインターンなどを経験するのが良いでしょう。普段からアンテナを張っていると、そういった人たちと巡り合う機会が必ずどこかで訪れます。

また、高校生や大学生でも、自分に合いそうな起業家や先輩を見つけるために、インターネットでマッチングプラットフォームなどを利用して調べることができます。気になる先輩や起業家が見つかったら、積極的にアプローチしてみると良いでしょう。

経営は現場で学ぶ

経営に関しては、先輩の起業家や他の人にアドバイスを求めたり、アルバイトやインターンを通じて実際に経験してみることが有効です。既に事業が成立している企業で働くことで、経営者がどのように経営しているのか、その実態を見ることができます。これにより、起業と経営、つまり事業の持続や継続について、両方の側面から学ぶことができます。

また、ある程度の規模がある組織でインターンやアルバイトをすることで、事業をどのように継続し、発展させているのかを学ぶことができます。まずは、さまざまな情報を収集し、自分にしっくりくるものを選び、それを実際に試してみることが大切です。

多くのケースを知ることで、将来、経営者や起業家として役立つ知識を得ることができるでしょう。

経営者は自分を磨き続ける:経験と出会いを大切に

社会人、経営者、起業家、さらにはNPO法人の関係者など、世間には様々な業種の人たちがいます。その人たちの苦労話や成功談、体験を直接聞いてみてください。それを聞いた上で、自分に取り入れることで、必ず得るものがあります。人と会い、話を聞くことで、質問の技術も身につくでしょうし、成功例や失敗例から多くのことを学べるでしょう。

真の人脈を築くために:魅力的な人間になる重要性

経営やビジネスにおいて役立つのは人脈やネットワークですが、「役に立つから人脈を作る」という考え方は少し違うように思います。

人脈は、人と人との関係性を大切にした結果として築かれるものです。ですから、自分を磨くことが大切です。たとえば、謙虚であること、丁寧であること、誠実であること、そしてしっかりとした意志や軸を持つことが重要です。

魅力的な人間でなければ、人脈を築くことは難しいでしょう。自分にとってプラスだから人脈を作ろうと考える人は、ほとんどうまくいきません。人に貢献し、人の役に立とうと行動している人こそが、いざという時に周囲から助けてもらえる、真の人脈を築けるのです。

多様な情報源から自分を磨く

自分を磨くという点において、あらゆるものから学び、成長することができます。

たとえば、尊敬できる人がいたり、経営に興味があるならば、経営者の書籍を読んでみるのも良い方法です。また、歴史から学ぶことも大切だと思います。書籍を読んだり、インターネットで情報を集めたり、現代は動画コンテンツもたくさんあるので、それらを活用して、自分が「いいな」と思う人物や歴史的な人物から学びましょう。

新規事業の立ち上げか、既存事業の拡大か

経営者になること自体はすぐにでも可能です。しかし、経営者としての役割を果たすためには、事業がきちんと成り立っている必要があります。そういう意味では、自分が0から1を生み出すのが得意なのか、1を10や100に拡大するのが得意なのかを理解することが重要です。

つまり、新しいものを立ち上げることが好きなのか、それとも既存のものを大きく発展させることに喜びを感じるのか、その違いを把握することが求められます。

0から1を生み出す場合、自分自身と向き合って一生懸命に取り組むことが重要ですが、10や100にする場合は他者との関係性が重要になってきます。動き方や動かし方が異なるため、当然、それに応じた方法も変わってきます。自分がどちらに向いているのかを感覚的に持つことは、とても有益だと思います。そして、両方を経験してみることで、自分に合ったやり方が見つかるのではないでしょうか。

経営者は行動指針を明確に:価値観・在り方・方向性・原動力

何を大切にして行動するのかを決めることが経営者にとって重要です。正解はないため、たとえば収益を最優先する人もいれば、仲間を大切にする人、誠実さを重視する人など、様々な価値観があります。

何を原動力にして頑張るのか、その基盤を明確にしておくことが、経営者として非常に大切です。そうすることで、周りの人が共感し、一緒にやりたいと思ってくれるようになります。

もちろん、面白いサービスや商品、ビジネスに惹かれて人が集まることもあるでしょう。しかし、もしその面白さがなくなったら、すぐに去ってしまうかもしれません。給料が良い会社に集まるのも悪くはありませんが、給料が上がらなくなったら離れてしまうこともあります。それが悪いわけではありませんが、経営者として、どの価値観を大切にするのかが重要です。

価値観と在り方を明確にする

経営者は、自分がどんな価値観を持って経営やビジネスを行うのか、その考え方やあり方が大切だということを理解してほしいです。その価値観によって、誰と付き合うべきか、どんな知識を得るべきか、どんな本を読むべきか、どんな先輩や経営者に会うべきかが決まってきます。

しかし、それが明確でなかったり、自分のあり方がわからなかったりするからこそ、さまざまな人と会って学ぶことが大切です。それは両輪のようなものです。

経営の根底にある「自分の存在意義」を問い続ける

さらに言えば、自分は何のために存在するのかを考えることが重要です。自分がここにいる理由、自分の存在意義について問いかけることが大切です。経営をしたいという思いは、そのようなマインドが背景にあるのではないでしょうか。自分が経営をしたい理由を問いかけ、それが自分の人生にどう関わっているのかを考えるべきです。

次に、自分の人生は何をしろと言っているのか、自分の使命は何なのか、生まれてきた理由は何なのかと自問してほしいと思います。若い頃からこのような問いを持つことは、とても素敵なことです。

答えを必ず出さなければならないわけではなく、問い続けること自体が大切なのです。

真の成功とは:社会への貢献と挑戦の積み重ね

成功とは何かを考えると、事業においては成長が一つの指標になります。しかし、成長がないからといって成功していないとは言い切れません。

私が考える成功とは、共に働く仲間との絆や喜びを共有し、お客様や社会に貢献しているという実感を持てることです。そして、その貢献が売上や利益として返ってくるとき、それが成功と言えるのではないでしょうか。

また、方向性とプロセスを常に意識していることも大切です。どこを目指しているのか、その方向性を保ち続け、どのように歩んでいくのかというプロセスを持ち続けている人こそが成功者だと思います。ある意味、挑戦者とも言えます。挑戦し続けることで失敗を避け、結果として成功を積み重ねているのです。

挑戦をやめず、ビジョンを持ち続ける人が、真の意味で成功し続けているのではないでしょうか。

経営者は全ての経験を自分の糧にする

いろいろな経験をすることは非常に重要です。自分の資質や天分を知るためには、アセスメントなどの客観的な方法を活用するのも良いでしょうが、経験から得られる「しっくり感」も大切です。

私自身の例を挙げると、もともと支援する側のタイプだと気づくまでに時間がかかりました。経営者としてリーダーシップを発揮してきたものの、50代になってから振り返り、子供の頃から好きだったことや影響を受けたものを再評価することで、自分はサポートする側の人間だと気づきました。その結果、今後は若い経営者を支える側に回ることを決めました。

固定概念を捨てて期待された役割を引き受ける

若い頃は期待された役割や依頼されたことを一度受け入れ、自分の知らない世界を知る機会を持つことが大切です。これによって自分の幅が広がり、知らなかったことを知ることができるようになります。これは大きな財産です。

自分のあり方やキャリアの進化は、30代、40代、50代と年齢と共に見つけていくべきものです。思い込みや決めつけは、逆にマイナスの要素を生むことがあります。自分を固定せず、さまざまな経験を通じて進化していくことが大切です。

起業の成功率を高める「タイミング・自分の強み・人脈構築」

起業の失敗を回避する方法は3つあります。

1つめは、起業するタイミングです。事業が世の中の流れや状況に逆行するタイミングではうまくいかないことが多いです。例えば、台風や大雨の時に外出を避けるか、気をつけて出かけるように、事業も同様で、無茶な行動は控え、市場のタイミングや季節を見極めることが重要です。

2つめは、自分の強みを活かす領域で起業することです。儲かりそうビジネスだからという理由でチャンスに飛びつくのも一つの方法ですが、続けるのが難しいことが多いです。自分の強みを生かした分野で起業する方が成功する可能性が高いです。

3つめに人との関係性が重要です。特に1人で起業する場合、ネットワークを大切にし、知恵を授かったり助けを受けたりすることが成功に繋がります。タイミングと関係性の両方を見極めることで、リスクを回避することができます。

また、メンターやコーチ、経験豊富な先輩など、自分に親身になってくれる人との出会いも重要です。こうした人々からのサポートやアドバイスは大きな助けとなります。

闇を突破する鍵は自己改善と自己成長

事業がうまくいかないときは、ずっと闇の中にいるように感じることもあります。しかし明けない夜はありません。必ず朝が来ます。だから、真っ暗な時期にはもう少し頑張ることが大切です。

うまくいかなかった理由には、タイミングや世の中の動きなど外部環境が変わったり、提供しているサービスが古くなったり必要とされなくなったことも考えられます。しかし、一番の原因は自分自身にあると思います。おごりや謙虚さの欠如、あるいは独りよがりな態度が問題ではないでしょうか。うまくいっていない時に自分の問題に気づけるかどうかが、人の成長を決定づける要素です。

成功者は自己の成長過程を通じて、自分自身を磨いていくのかもしれません。

経営者を目指すために大切なマインド

やりたいと思ったら、ぜひ行動して試し続けてほしいです。大きなことをする必要はありません。小さなことから始めて、できることを積み重ねていけば良いのです。

時には進んでいると思っても、後退していることがあります。しかし、これも前進の一部です。うまくいかないこともありますが、その経験には意義と価値があり、体験する価値は大きいです。

そのためには、どのようなものを作り出すかを想像し、クリエイティブに考えることが重要です。イマジネーションを働かせて、自分がどんなものを生み出したいのかを考えてほしいのです。

行動することで得られる原動力と使命感

考えることも大事ですが、行動がさらに重要です。行動することで、自分がどんな人間で、なぜこれを動かしているのか、また自分を突き動かすものは何なのかがわかります。それが理解できれば、使命感が生まれ、原動力やモチベーションも高まります。

動き続けることで、視界が広がり、解像度が上がっていくのです。ですから、ぜひ行動してほしいと思います。

成功への心の持ち方〜感謝・貢献・愛〜

感謝と貢献と愛を心に持って行動してほしいと思います。

最初に感謝の気持ちを持つことが大切です。
自分が生きているということ自体が、感謝に値すると思います。自分一人では今の自分が存在することはできません。例えば、親や祖父母をはじめ、多くの人々の支援や援助があってこそ、今の自分があるわけです。生まれたときから誰かに支えられているわけで、ここまで来られたのは、そうした人々のおかげです。感謝の気持ちから始めるのが良いでしょう。

また、経営や事業をする際も、自分自身を感謝することから始めるべきです。自分が存在することを表現したいという思いが、事業を始める理由の一つかもしれません。その場合、自分の提供する価値を届ける人を見つけることが重要です。それを、愛する人を探すように、愛される自分を目指して取り組むのです。


経営においては、自分の強みを理解し、提供するサービスがどのようなお客様に有用で役立つのかを見極めることが必要です。自分の強みを受け入れてくれる人を見つけ、その人たちに価値を提供することが求められます。その過程に愛を持つことが大切です。

その基本となるのは貢献です。
貢献することで喜びを感じ、その喜びが感謝に繋がります。そして、さらに良くしようという気持ちが生まれます。愛される自分を目指し、愛する人を増やしていくためには、貢献が必要です。

貢献、感謝、愛。この三つを大事にしながら、日々の行動をしていくことが重要だと思っています。

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