株式会社myBackOffice
代表取締役社長
池森美緒さん
名古屋市立大学 経済学部卒業後、 求人広告代理店にて営業、 4大税理士法人にて経理・総務、 飲食企業にて人事課長、人事部長を務める。上場準備経験を主として規定改定や採用、 ITベンチャー企業にて人事採用労務マネージャーを拝命。 2022年株式会社myBackOfficeを設立した。
採用コンサルティングとしてはITエンジニア領域を主としながら、ビジネス・管理部門と人事全般の相談を幅広く請け負っている池森社長にお話を伺いました。
(1)エンジニアとしてキャリアを積むには?
「自学自習できること」がエンジニア採用で重視されるポイント
エンジニアの採用では、技術に対して貪欲で、学び続けることができる人が求められていると感じます。企業や経験年数を問わず、「主体的に学習できる力」が大切です。
「数値で表せる実績」でアピールできるのがベスト
数字で表せる実績があれば望ましいです。たとえば、個人でアプリを開発してリリースしていて、「何万件ダウンロード」など具体的な数字があると一番わかりやすいですね。
また、AtCoder(アットコーダー)やKaggle(カグル)など、競技プログラミングやAIの精度コンペを用いて、スキルを可視化する方法もあります。「AtCoder何色です」というように、点数やバッジの色を教えていただけると、「技術の好きな方なんだな」と採用側にも伝わります。
他にも、GitHubなどで、ご自身のレポジトリを見せていただければ、OSS活動を行っているなどのアピールにもつながるかと思います。
未経験であれば、SES(受託系)の会社に挑戦してみては?
SES(受託系)の会社には、未経験OKなところもあります。自主学習やプログラミングスクールに通った上で、学んだことを具体的にアピールできれば、採用につながる可能性は十分にあると思います。
エンジニアは、どうやって自分に合う会社を選べばいいのか
経験の浅い方(目安としては経験年数三年未満)であれば、まずはご自身のスキルを伸ばす環境が整っているかなどに注目してみてはいかがでしょうか。たとえば、勉強会や育成のシステムが整っているかどうかです。
ミドル・シニア(目安としては経験年数三年以上)であれば、今まで培ってきたご自身の経験が、志望の会社にどう活かせるのかで判断するのが良いのではないでしょうか。カジュアル面談などで、会社の課題を深掘りし、自分の経験と照らし合わせながら判断するのがおすすめです。
エンジニアにおすすめの媒体やエージェント
エンジニアに特化した媒体であればFindy、LAPRASをはじめ、他にもビズリーチやOpenWork、AMBIなどをオススメします。
特に、Findyは、ベンチャーや優良企業も多く、ご本人が希望すれば、ユーザーサクセスといった専門の相談員がつくためおすすめです。
ユーザーサクセスからは企業サイドに「お話してみたらとても穏やかな方でした」というようなコメントをつけて企業にご推薦いただけます。
エージェントであればリクルート、Geeklyをはじめとした大手エージェントだけでなく、エンジニアを得意としている企業もあります。マネージャークラスであれば、BNGパートナーズもおすすめです。
AIのトレンド。今後はPdM(プロダクトマネ-ジャー)の重要性が増す?
現状ではAIの用途は限定的だと思います。
しかし、AIの進歩はとても早く、これから人間に求められるのはプロダクトマネジメント力や、ユーザーがどのような情報を求めているかをマーケティングした上で開発するスキルではないでしょうか。実際に、PdM(プロダクトマネ-ジャー)の求人が増えているという実感があります。
PdMのキャリア形成は、少し難しい要素もある
とはいえ、PdMのキャリア形成は難しいところもあります。例えば、BtoBであれば、企業のニーズが比較的はっきりしているので開発自体の難易度が高くても課題や要件の抽出としてはわかりやすいかもしれません。具体的には、ヒアリング能力、課題の深掘り、コンサル能力が必要だと言われています。
一方BtoCでは、ターゲットが広く、たとえ何かの施策が成功したとしてもインフルエンサーの影響、広告、季節変動など様々な要因が絡むため、成功要因の特定が難しく、確実に一つずつ要因分析をしていく必要があります。様々な経験や、想像力、他社サービスへの強い関心があると、よりBtoC向けのPdMで力を発揮することができるかもしれません。
(2)人事・総務としてキャリアを積むには?
人事・総務の仕事は、大きく5つに分けられる
人事・総務の仕事は、大きく分けると5つに分かれます。「採用」・「労務」・「人事企画」・「教育系」・「組織開発」の5つです。たとえば「採用」に向いているのは、人と話すのが好きな人や、相手の心理を読み候補者をグリップしたり、求人に関する適切な魅力付けを行う事のできる方、さらには数値管理をしながら要因分析を行う事ができる方です。「労務」は、給与や社会保険などの計算があるため、仕事を正確にこなし、周囲への報連相を適切に行う事のできる方が向いていると思います。
人事・総務のゼネラリストを目指すにはベンチャー企業がおすすめ
上記の5つを幅広く、全部をやってみたいという方は、ベンチャー企業の一人目人事がおすすめです。創業されて2〜3年目の会社であれば、人事職が欲しくなるタイミングです。
また、新卒で大手企業に入り、採用で1〜2年、労務で2〜3年の経験を積んでから、ベンチャー企業に飛び込めば、大手からベンチャーまでの幅広い経歴を最速で積むことができるのではないでしょうか。
ゼネラリストタイプを目指す方は、経営者の考えを、組織に落とし込める能力も必要です。部長など管理職になった時点で、視座をあげて経営側の視点も勉強できるような方だと望ましいでしょう。
人事、特に採用のスペシャリストを目指すには、エンジニア採用もおすすめ
エンジニア採用をできる採用担当は人事人口の中でも非常に少なく、人事、特に採用のスペシャリストとして目指すにはとても良いポジションだと考えています。
ただし、ご自身がエンジニアの出身でない限り、勉強することは膨大で、非常に大変です。
私は、労務として採用された会社で、エンジニア採用も任されることになったのがキャリアの始まりですが、私自身の性格がエンジニアと似ているところもあって、今でも続けることができています。
スペシャリストタイプは、専門知識を主体的にアップデートできる方に向いています。採用であれば、採用手法やトレンド、労務だと労働基準法などのキャッチアップができるかは重要になるでしょう。
人事を目指す人におすすめの採用媒体・エージェントについて
企業数の多さで、ビズリーチがおすすめです。エージェントであれば、JACリクルートメント、MS-Japan、リクルートなど。
5年目くらいの専門的な人事の知見をお持ちということであれば、YOUTRUSTもおすすめです。特にベンチャー企業に飛び込みたい方は一度ご登録してみてください。
最終ゴールのイメージをしっかりと持つことが大切
「最終的に自分はどうなりたいのか?」が大切だと思います。最終ゴールを決めてから、逆算すると、自分に必要なものが見えてきます。
たとえば、「死ぬまでにどんな人生を送りたいのか?」から「それを実現するためにどれくらいのお金が必要なのか?」「今の年収から何百万円あげる必要があるのか」「そのためには、どの会社のどのポジションを目指せばいいのか」「どのようなスキルが必要なのか」と順番にブレイクダウンして考えていきます。
自分が本当にやりたいことや、お金ときちんと向き合っていない方も多いのですが、ぼんやりとした人生設計ではなく、具体的な最終ゴールや得たい収入などのイメージをしっかりと持っておくことも大切だと感じます。
株式会社myBackOfficeでは各分野の専門家が課題を柔軟に解決
専門はIT企業の採用支援ですが、ビズ側のマーケター、セールス系、コーポレートまで幅広く、企業様に合わせて柔軟に対応可能です。離職者が増えた、マネジメント層がいない、リーダークラスが育たない、など組織的な問題を抱えていらっしゃる方もご相談ください。エンジニアの方と面談をさせていただいた上でご支援に入ります。