【株式会社エンジニアのミカタ社長】SES企業の課題を超える!エンジニアの長期的キャリア戦略ガイド

SES業界の課題を解決し、本当の意味での「エンジニアの見方」となれる会社を目指して起業された、田代正義さん。
IT業界への転職や、フリーランスエンジニアを目指す人に向けて、長期的に活躍するためのスキルや、キャリア戦略のヒントについてお話を伺いました。

株式会社エンジニアのミカタ
代表取締役
田代 正義さん

株式会社エンジニアのミカタ(旧無限の始まり)創業者兼代表取締役。早稲田大学基幹理工学部出身。「ITエンジニアの生涯所得を1億円UPさせる」をモットーに、顧客単価の83%を給与還元、AI技術による独自のマッチングシステムで最適な案件を提案するなど、エンジニアの待遇改善を徹底的に追求した事業を展開中。

エンジニアの需要と求められるスキルの変化

ここ数年、エンジニアの需要は非常に高い状態が続いています。求められる人材に大きな変化はありませんが、基本的にはスキルの高いエンジニアが常に不足している状況です。ロースキルのエンジニアは人が余っている一方で、ミドル層以降のエンジニアは需給が引き締まっています。この状況は今後も続くと予想され、スキルアップが求められる時代です。

上流工程経験が40代から60代のエンジニアの強み

40代から60代のエンジニアの強みは、経験年数とリーダーシップにあります。幅広い業種と工程に対する理解が深く、リーダー経験や要件定義などの上流工程の経験が豊富です。若手エンジニアの方がプログラミングのスピードは速いことが多いですが、マネジメント経験や上流工程の経験が求められる場面では、年配のエンジニアが強みを発揮します。採用の場では、こうした経験を具体的にアピールすることが重要です。

フリーランスよりも正社員の方が上流工程を積める

40代から60代のエンジニアが転職やフリーランスを考える際、どちらが向いているかは個々の経験によります。上流工程の経験が少ない方や、マネジメント経験がない方は、正社員としての働き方が適しています。

一方で、リーダー経験や要件定義の経験が豊富な方でも、フリーランスとして成功するためには営業力が求められます。特に積極的に営業活動を行う意欲が必要です。インボイス制度の導入により、フリーランスの収入が減る可能性もあるため、現役中にあえてフリーランスになる必要はないかもしれません。

転職とフリーランスの最適なタイミングとは

日本のIT業界では、40代後半からの転職が難しくなる傾向があります。そのため、40代のうちに転職を検討することが重要です。

一方、フリーランスに転向する最適なタイミングは定年退職後です。スキルがあるフリーランスは再雇用よりも高収入を得ることができるため、定年後のフリーランス転向は有力な選択肢となります。定年退職前の5年間で幅広いスキルを磨き、自己PR力を高めることが大切です。

エンジニアとしての長期的な成功の秘訣

エンジニアとして長期的に成功するためには、常に最新の技術を学び続けることが求められます。ブランクを作らず、エンジニアとしてのスキルを維持し続けることが重要です。また、コミュニケーション能力も欠かせません。質問に対して端的に答えることができ、過去の実績を客観的に述べることができることが求められます。

情報収集とスキルアップのためには、自分より年上のエンジニアやIT業界の営業担当から話を聞くことが有効です。成功者の手法を学び、実践することで、確実にスキルアップできます。

再雇用を見据えた準備:55歳から60歳の5年間が大切

定年退職を迎えるエンジニアが再雇用後も良い条件で働くためには、55歳から60歳の5年間が非常に重要です。この期間に何をするかで、ブランクがあると見なされるかどうかが決まります。再雇用時に即戦力として評価されるためには、要件定義やプログラミングなど、幅広いスキルを持っていることが求められます。特定の業務だけでなく、様々な業務をこなせるエンジニアは案件にアサインされやすく、単価も上がりやすい傾向にあります。

営業に自信がないエンジニアは成果物で勝負

エンジニアとして自分を売り込むためには、マネジメント経験よりも実際に手を動かすスキルが重要です。設計書や仕様書の作成、プログラミングなど、具体的な成果物を生み出せる能力が求められます。特に売り込み方に自信がないエンジニアにとっては、実績を積み上げていくことが重要です。実際の作業を通じて信頼を築き、評価されることで、再雇用後も安定した職を得ることができます。

長期的に活躍するために求められること:言語習得とコミュニケーション能力

長期的に活躍するエンジニアには、常に最新の技術に対応できるスキルが求められます。過去の経験だけに頼るのではなく、今流行している言語や技術を習得することが重要です。また、ブランクを作らず、エンジニアとしての現役を維持することもポイントです。加えて、コミュニケーション能力も欠かせません。質問に対して端的に答え、過去の実績を客観的に伝える力が重要です。

情報収集は営業担当や実際に活躍している人から

40代から60代のフリーランスエンジニアがスキルアップするためには、情報収集が鍵となります。自分より10歳20歳上のエンジニアから話を聞くことが最も効果的です。また、IT協会の営業担当からも情報を得ることで、現在の需給状況や流行を把握できます。営業担当者は市場の動向に詳しいため、彼らとのコミュニケーションを通じて最新情報を収集し、それを元にスキルアップを図ることが重要です。

SES企業が直面する主要課題と優良企業の見極め方

SES(システムエンジニアリングサービス)企業は、いくつかの共通する課題に直面しています。

1つ目は、いわゆる「搾取系」の企業が多い点です。これらの企業は、エンジニアから過剰なマージンを取り、利益を最大化することに重点を置いています。

2つ目は、生産性の低さです。営業担当者一人当たりの稼働エンジニア数が少ない企業では、生産性が低くなりがちです。

最後に、間に多くの下請け企業が存在し、エンジニアの年収が減少する構造があります。このような構造では、マージンの取り分が増え、エンジニアの給与が圧迫されるため、労働条件が悪化することが多いです。

生産性の低さとその影響

生産性の低さは、SES企業の主要な課題の1つです。

例えば、営業マン一人当たりの稼働エンジニア数が10人の企業と30人の企業を比較すると、後者の方が生産性が高いことが分かります。営業担当者がより多くのエンジニアを稼働させている企業は、その分だけ効率的に案件を処理できるため、全体の生産性が高まります。

一方で、少数のエンジニアで運営する企業は、営業担当者の費用を捻出するために多くのマージンを取らざるを得ません。そのため、新しい技術への投資が難しく、営業力の強化が困難になります。これが生産性低下の一因となり、結果として企業全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼします。

多重下請け構造とエンジニアの年収

多重下請け構造は、SES業界の根深い問題です。例えば、NTTデータの案件において、エンジニアが参画する場合、案件は複数の受け渡しを経ることがよくあります。一次受けの企業から二次受け三次受け、四次受けと進む中で、各段階の企業がマージンを取り、その分エンジニアの給与が削られるのです。これらは、エンジニアのモチベーションや仕事の質に悪影響を及ぼします。

優良なSES企業を見極める3つのポイント

優良なSES企業を見極めるためには、いくつかのポイントがあります。

1つ目は、営業力の強さです。営業力が高い企業は、多重下請け構造を避け、上流工程に直接関わる機会が増えます。

2つ目は、株主構成や資本構成です。外部資本が入っている企業は、ガバナンス体制が整い、資本力が強化されていることが多いです。これにより、安定した経営が可能となります。

3つ目は、コミュニケーションの質です。クライアントとのコミュニケーションが円滑に行える企業は、相手の要望に迅速に対応し、信頼関係を築くことができます。このような企業は、全体的な業務運営においても高いパフォーマンスを発揮する傾向があります。

驚異的な還元率とAIを活用したサービス展開

弊社のエンジニアファーストの最大の強みは、驚異的な還元率にあります。当社は95%の還元率を実現しており、5%のマージンしか取らない仕組みです。この低いマージン率により、フリーランスのエンジニアは他の企業に比べて高い年収を得やすくなります。競合他社の多くは20%から25%のマージンを取っているため、当社の還元率の低さは大きな差別化要因となっています。これにより、エンジニアの収入が高く保たれ、モチベーションの向上にも繋がります。

50代〜60代をターゲット層にしたテックシニアフリーランス

一方、テックシニアフリーランスの主な強みは、50代60代をターゲットにしたサービスであることです。この年齢層に特化したエージェントは少なく、ここに差別化ポイントがあります。日本では高齢のフリーランスエンジニアが年齢の壁に直面しやすく、特にフリーランスとして働く機会が限られがちです。当社はこの層に焦点を当て、年齢に関係なく働ける環境を提供することで、より多くのシニア層が活躍できる日本を目指しています。

営業の生産性向上への投資とAIの活用が高還元を実現

エンジニアファーストが低マージン率を実現できる理由の1つは、営業の生産性向上に対する徹底的な投資です。当社はAIを活用し、生産性を大幅に向上させています。具体的には、案件の調達から人材のマッチングフェーズまでをAIで効率化しており、これにより生産性が飛躍的に向上しています。営業活動やクライアント先の開拓が効率的に行われ、コスト削減とサービス品質の向上を実現しています。

シニア層の所得向上と日本全体の年収の底上げに貢献

50代60代のフリーランスエンジニアは、年齢により収入が上がりにくい現状があります。当社は、この層の所得を底上げすることで、全体の年収向上に寄与しようとしています。年齢に関係なく働ける環境を提供し、長年の経験を持つエンジニアが活躍できる場を増やすことを目指しています。

今後のビジョンとサービス戦略

当社の今後のビジョンは、2030年までに社員数1万人体制を整えることです。また、同時に東証グロース市場への上場も目指しています。サービスに関しては、IT領域に特化し、一点集中で事業を拡大していく方針です。既存のSES事業に注力することで、品質の向上と業界内での競争力を強化していく考えです。

エンジニアにも社内営業担当にも高還元

当社の大きな特徴は、エンジニアと営業の両方に対する高還元です。エンジニアには高い還元率を提供しており、収入を最大限に引き上げるサポートをしています。これにより、多くのエンジニアが当社に転職し、充実した職場環境で働くことが可能です。

また、営業部門においても、協力会社の要員を中心に案件をアサインする「BP営業」という仕組みを採用しています。このシステムにより、営業担当者は年収1000万円以上を得ることができる高い報酬体系を実現しています。興味のある方はぜひご応募ください。

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