【京都文教大学講師】チャレンジし続ける姿勢とホスピタリティで社会課題の解決を楽しく、元気に働ける職場を1つでも多く作りたい

京都文教大学 総合社会学部 総合社会学科に講師として所属されている、多湖雅博先生にお話を伺いました。

管理職の経験をお持ちの多湖雅博先生は、現在、「組織開発」をご専門に研究されています。

なぜ今「健康経営」が注目されているのですか? キーワード「ワーク・エンゲージメント」とは?
より良い職場環境や組織づくりについて、多湖先生の独自の視点からお話いただきました。

京都文教大学
総合社会学部 総合社会学科
講師 多湖 雅博先生

社会人時代を経て、社会人大学院に進学。2014年大阪府立大学 客員研究員となる。現在、京都文教大学 総合社会学部 総合社会学科にて講師を務める。
共著書『職場の経営学:ミドル・マネジメントのための実践的ヒント』(中央経済社・2022年2月)『キャリア・カウンセリング エッセンシャルズ400』(金剛出版・2022年3月)など。

管理職として経営を学んだのがきっかけに

私は一般的な研究者の方々とは異なり、社会人経験を経て研究者となりました。

社会人としてキャリアを重ね、最終的に管理職という立場になり、経営を知るためにさまざまな書籍を読んだり、研修に参加させてもらったりしたのですが、イマイチピンと来ず…。経営系の社会人大学院に進学する道を選択したのです。その大学院で経営学を学ぶうちに、研究の面白さに惹かれていったこと、指導教授と出会ったことによって、本格的に研究者を目指すようになりました。

「みんなが元気に働いていること」が理想だった

多湖 雅博先生

私が研究しているのは、組織開発という組織を良くしていくための取り組み、特に、対話型の組織開発を好んで行っています。

対話型組織開発とは、文字通り「対話」を中心に据えた組織開発、組織に所属するメンバー間の関係性に働きかけるアプローチです。中でも、対話型組織開発の代表的なアプローチと言われている、AI(Appreciative Inquiry)を用いた組織の活性化についての研究をしています。

この研究をしようと考えたのは、私にとって、みんなが元気に働いていることが理想だったからかもしれません。「どうせ働くなら、元気に楽しく働きたい」という気持ちがあると同時に、「そのような方々に囲まれて、仕事をしたい」と思っています。

もちろん、職場の活性化と生産性には影響があると考えていたからというのも理由の1つです。

ワーク・エンゲージメントが満たされている=コミュニケーションが活発

みんなが元気に働いていることを端的に表すのが、「ワーク・エンゲージメント」です。

このワーク・エンゲージメントは、単に従業員のメンタルヘルスを表している概念ではなく、生産性にも影響を及ぼす概念です。ワーク・エンゲージメントが満たされている会社は、「従業員それぞれに活力があり、熱意を持って、仕事に没頭している状態」、つまり、「従業員が活き活きと働いている状態」を指しています。その結果、仕事に対してのコミットも高まり、職場内のコミュニケーションが活性化しているという特徴があると考えられるのです。

従業員側が、このワーク・エンゲージメントを高めるためには、「仕事の資源」と「個人資源」を充実させることが重要です。仕事の資源とは、自律性、パフォーマンスのフィードバック、社会的な支援、上司によるコーチングなどを指しています。一方で、個人資源とは、自己効力感、組織内での自尊心、楽観性です。

これらを充実させていくためには、「従業員間の関係性を良好なものにすること」も必要となります。近年、健康経営に取り組む企業が増えていますが、健康経営が上手く行われている企業や職場のコミュニケーションは活性化しています。そして、ワーク・エンゲージメントは、組織(企業、職場)の活性化の指標として使用されます。つまり、健康経営の取組を実践する際に、ワーク・エンゲージメントは重要な概念となるのです。

健康経営が上手く進められる会社には共通点がある

健康経営に取り組む企業が増えているのはなぜでしょうか。

経済産業省によると、健康経営とは従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されているのだそうです。そもそも、従業員の健康度と生産性は相関関係にあることが知られています。そのため、従業員の健康は企業にとって重要なのです。

また、健康経営の具体的な取組について、いくつかの企業にインタビューした際に、上手く進められている企業にはいくつかの共通点が認められました。例えば、健康経営を行うことを周知してから始めること、従業員相互に話し合える環境(心理的安全性のようなもの)があり、コミュニケーションが活発に行われていること。また、それらを主導する経営者等にリーダーシップがあることも共通していました。

楽しく、元気に働ける職場が理想

従業員目線でどんな会社が理想なのかを語弊を恐れずに申しますと、「どうせ働くなら、楽しく、元気に」働ける会社ではないかと考えています。

仕事は遊びとは異なりますが、「楽しく、元気に働くこと」は、従業員だけでなく、企業や職場にも良い影響を与えます。それこそが、ワーク・エンゲージメントが高い状態を指しますから、ワーク・エンゲージメントが高まると、生産性の向上や離職意図の減少につながるのです。

ワーク・エンゲージメントが高い職場を世の中に1つでも多く作ることが、私の目指す理想像です。そのためにも、さまざまなものにアンテナを張り、日々精進していきたいと思います。

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