【名古屋産業大学教授】多くの人と共に携わるプロジェクトを通して、「がんばる人が報われる社会」を実現したい

名古屋産業大学現代ビジネス学部経営専門職学科准教授、地域連携センター長の今永典秀先生にお話をお伺いしました。

今永典秀先生は新卒後、住友信託銀行や東和不動産に勤務した経験をお持ちです。その経験を活かした実務家教員として、キャリア支援のボランティア団体や大学の教育プログラム、企業向けのインターンシップなど、さまざまなプロジェクトの立ち上げに関わってこられました。

そこで、今回は関与されているプロジェクトや目指す未来、社会に出る前、出てからの数年で身につけてほしいスキルについてお聞きしました。

今永典秀先生

名古屋産業大学
今永典秀先生

名古屋大学経済学部を卒業後、住友信託銀行や東和不動産に勤務する傍ら、キャリア支援のボランティア団体立ち上げに携わる。グロービス経営大学院(経営学修士(専門職))、岐阜大学博士(工学)。
その後、岐阜大学地域協学センターで次世代地域リーダー育成プログラム、産業リーダーコースの立ち上げ、名古屋産業大学で経営専門職学科の立ち上げに関与。主な著書・論文として、『企業のためのインターンシップ実施マニュアル』日本能率協会マネジメントセンター、『共創の強化書』中央経済社、「地域創生へのインターンシップ」日本労働研究雑誌2021年8月号、「中小企業の長期実践型インターンシップにおけるコーディネーターの存在価値」ノンプロフィット・レビュー21など。

実務家教員の活動にサラリーマン経験が活きている

私は、新卒後しばらくはサラリーマンをしていました。仕事の傍ら、ボランティア団体プロボノの友人たちと一緒に、キャリア支援活動(NAGOYA×FOREVER)を立ち上げたのがスタートです。その後、大学で「産業界と連携した実践教育」(インターンシップなど)を行うようになりました。

研究者を目指していたわけではありませんが、実務家教員としての活動には、それまでの社会人経験(銀行員の法人営業で培った企業とのコミュニケーション・企業分析スキル、採用活動の支援経験、トヨタグループで培った基礎部分の高いビジネススキル・経営企画・事業開発)が活きています。

「プロジェクト」で自分1人では実現できないことも可能に

これまで関与してきたプロジェクトは、「大学における教育プログラムの設立」や「インターンシッププログラムの開発と実践・研究」から、まちづくり、女性の活躍推進、サステナビリティの活動まで多岐にわたります。

プロジェクトでは、さまざまな人たちと一緒に活動をする機会が増えます。大人数で動くことにより大きなパワーが生まれ、自分1人では実現できないことも展開可能になるのです。私は、そこに「プロジェクト」の意味があると考えています。また、多くの人たちから刺激や学びを得られるため、自分自身の成長にもつながるのも魅力の1つですね。

新たなチャレンジに生きがいを感じる

これまで関わってきたプロジェクトの中でも、「経営専門職学科」の申請認可、その後の新規事業の推進は、最も印象に残っています。具体的な内容は、コンセプトの「メンバーシップ型」から「ジョブ型」への移行が期待される中、経営領域における「職務専門能力」を設定した上で、体系的な教育プログラムを構築するというものでした。

日本初の学科としての申請だったので、突破するのが困難な障壁が多く苦労しましたね。しかし、まだ日本にない新しいものを根拠や自信を持って作るための、試行錯誤のプロセスは、印象的でした。

その他、これまでしてきたどんな仕事も一生懸命コツコツと努力を重ねることが、成果への道筋につながってきました。特に最近は、アウトプットとしての成果ではなく、新たに一緒に何かをやろうと声をかけてもらえることにやりがいや生きがいを感じています。ですから、アドバイザーや名前を貸すようなお仕事ではなく、これまでの経験や知見をもとに、自分自身も汗をかきながら協働・共創できる仕事をしたいですね。

社会に出てからの数年はとにかく経験できる環境に

今永典秀先生
引用:Peatix

私は専門職大学で、ジョブ型雇用に対応した「スペシャリスト養成」を掲げています。しかし、社会や大人との接点がほとんどない状態で「これが自分に合っている」と思い込むのではなく、いろんな種類の実践経験を積み重ねた上で、座学の学びと融合させながら考えていくことが重要だと考えています。

特に社会に出てからの数年間は、なるべく多くの経験を積むことが重要ですね。そうすることで、専門的なスキルとともに、コミュニケーション能力や論理的思考力、対人関係の調整力などの組織で必要とされるスキルが身につくからです。その結果、自律的なキャリアを生み出せるようになるでしょう。

さらに、これからの時代は外部環境や技術革新のスピードがますます速くなります。変化を捉える力や新しい技術に関心を持って使いこなす力が、多様な人たちと何かを成し遂げるために必須だと思います。

信頼を大切に「がんばる人が報われる社会」を実現したい

私は、仕事には「信頼」が何よりも大切だと考えています。信頼してもらうには、自分自身が期待されている以上のことを、なるべく短時間で精度高くやり続けることが重要です。もちろん、良好な人間関係を築くことも大事ですね。ですから、私は謙虚な姿勢や、素早く明確な返事をすることなどを心掛けています。

そんな私が目指すのは、「がんばる人が報われる社会」の実現です。そのためには、いろんな人たちが学び合い、共に成長できるような環境を整備する必要があります。

ですから、私もさまざまな地域の人たちの未来をより良くするために、楽しく学びながら活動したいと思っています。このような活動を、年齢や職業がバラバラでも同じような想いを持っている多くの仲間たちと一緒にしたいという思いもありますね。今後もずっと挑戦を続け、楽しみながら、成長していきたいと思います。

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