高校生や非大卒者を対象にした就職支援を行う革新的な企業株式会社Spark。
代表の永田氏は、自身の経験をもとに、高校生の就職活動を根本的に変えるべく、キャリア支援サイト「ニューゲートカンパニー」を立ち上げました。
高校生がキャリアを選び取れるような環境作りを目指し、学校と企業の連携を強化し続けています。
今回は永田氏に、高校生のキャリア形成における現状の課題と、その改善策について詳しくお話を伺いました。
株式会社Spark
代表取締役
永田 謙介さん
大学卒業後、株式会社サントリーホールディングスに入社。営業を7年間経験した。
その後、長年の夢でもあった教員に挑戦。
2015年4月、株式会社ビズリーチに入社。大手企業の採用課題を解決する人事コンサルティングを半年間経験した後、人財採用部マネージャー・人財組織開発のマネージャーに従事。
2018年に株式会社Sparkを設立。
高校生のキャリア形成の課題とは
現在、多くの高校生はハローワークの求人票を基に職業を選んでいます。
しかし、その情報は給与や勤務地、休日数といった表面的なデータがほとんどで、
これらに基づいて職場を決めると、結局のところ早期離職に繋がることが多いです。
キャリアを形作る要因とは
給与や勤務地、休日日数などの条件以外にも、魅力的な社会人との出会いや、他者貢献・社会貢献などの経験ができる職場選びができることで、仕事に熱中できる人生に繋がると考えています。
自分が働く理由に、そういった外的な要素を見出せることが重要なので、そういった視点でキャリアを選ぶ環境を作りたいと強く感じています。
高校生の就職と現状
私が高校生向けの事業を展開する理由は、自分が教員をしていた時の経験にあります。
私自身は高校教員になるまでは高校生の就職に関して全くの無知でした。
しかし、教員になった際に、進路担当をしている中で高校生の就職活動に深くかかわることで、「一人一社制」「スケジュールの厳格化」「求人票による選択」など、高校生にとって、就職の選択肢が限られている事実を知りました。
高校生向け事業を展開する理由
そんな状況を目の当たりにし、高校生たちが「熱中して」環境で働けるようにしたいと思ったことがこの事業を始めるきっかけでした。
私にとって、これはただのビジネスではなく、高校生の選択肢を広げるための使命だと感じています。
事業を始めてからの気づき
この事業を始めた当初は、すべての高校生に対して多くの選択肢を提示することが良いことだと思っていました。
実際には、今の仕組みに満足している学生も多く全てを変えようとするのが正しいとは限らないのだと気付きました。
もちろん、自分で情報を集め、職場を比較する力を持つ高校生もいますが、全員がそうではありません。
私は、柔軟なサポートを行うことで、学生が自分に合ったキャリアを選べるようにしていくことが重要だと考えるようになりました。
「ニューゲートカンパニー」の特徴
ハローワークの求人票では、企業の社風や働いている人たちの様子、具体的な仕事内容が見えてこないことが多いので動画や画像を使い企業のリアルな姿を伝えるようにしていることです。
高校生が企業の雰囲気を感じ取り、働くイメージを持ちやすくなり、さらに「少し興味がある」ボタンを設け、気軽に企業説明会に参加したり、インターンシップを実施できるようにしています。
高校生が実際に働く前に企業をしっかり理解できるよう、リアルな情報提供にこだわっています。
高校生に伝えたいメッセージ
高校生には、ぜひ「高卒だから」と諦めずに挑戦してほしいと思っています。
学歴にとらわれず、熱中できる仕事は必ずありますし、
学歴を重視しない企業も増え、どのようなスキルや経験を持っているかが評価される時代になってきました。
だからこそ、皆さんには自分に自信を持ち、自分の可能性を信じてチャレンジし続けてほしいと願っています。
成長している企業の見極め方
成長している企業を見極めることは、大人にとっても難しいことです。
しかし、私は生徒たちに対して、企業の市場における立ち位置や、業界のトレンドを理解することの重要性を伝えています。
これには少し難しい部分もありますが、私たちはその一つひとつを丁寧に説明し、生徒たちが適切な企業を選べるようサポートしています。
働きたいと思える会社
社長の考え方に共感できるかどうかも大切な要素であり、私は、生徒たちに社長のビジョンや企業の歴史を紹介し、共感できるかどうかを判断基準の一つにするように伝えています。長く働ける職場を見つけるためには、会社の理念に共感できることが重要だと思います。
面接を成功させるためのポイント
特に高校生にとって初めての経験であり、不安が大きいと思います。
面接に成功するためのポイントとして「笑顔で元気よく、相手の目を見て話すこと」を強調しています。
企業は、高校生に対して新しいエネルギーや視点を期待しており、それを面接でしっかりと伝えることが大切です。
また、事前準備も重要でなので面接でよく聞かれる質問をあらかじめリストアップ、練習することで自信を持って話せるようになります。
私はしっかりした準備が緊張を和らげ、より良い面接結果を得られると高校生にアドバイスしています。
高卒者のキャリア形成の現状と実態
高卒者がメインの企業では、大卒者とのキャリアパスに大きな違いはありません。
大卒者が多い企業では、キャリアの進む道が異なることもあります。
私は学歴に関係なくキャリアアップできる企業を選ぶことが大事だと考えています。
給与差のない企業や、高卒者と大卒者を同等に扱う企業が増えており、これからの時代、学歴に左右されずに活躍できる環境が広がっていくでしょう。
求人票の給与差を見ることで、その企業が高卒者にも同等のキャリアを提供しているかどうかの判断材料にすることができます。
私は高校生に、こうしたポイントをしっかり見極めて、自分に合った企業を選んでほしいと願っています。