志村社長が手がける「人を育て、支える」取り組みの数々には、企業の枠を超えた社会的使命と情熱が注がれています。今回は志村社長に、事業のユニークなサービス内容や外国人材支援の展望について伺いました。
株式会社グローアップ
社長
志村洋一さん
株式会社グローアップは、日本で外国人材の採用・定着を支援し、教育や生活のサポートを提供する企業です。「人にしかできない仕事」をモットーに掲げ、外国人の人材紹介だけでなく、教育にも力を入れています。企業に合った人材を提案し、日本が抱える深刻な人材不足の解決に取り組んでいます。
事業の原点「自然と外国人が集まる企業」を目指して
圧倒的な安心感から口コミから広がった
株式会社グローアップが外国人材支援を手がけるきっかけは、12年前に始まります。
もともとは、外国人留学生にアルバイト紹介の事業をしている方とのご縁がきっかけでした。私が外食産業出身だったため、横の繋がりを通してお手伝いさせていただいていました。
活動していくうちに、気づけば外国人が自然と集まってきました。
A君を紹介すると、C君もアルバイトを探している」と言って、連れてくるようになったんです。
口コミで広がっているので、携帯電話に知らない番号から着信があるのも日常茶飯事でしたね。
しかし、それだけ安心して紹介できる会社なんだと感じてもらえているのだと思います。
弊社は「ただの仕事紹介」にとどまらず、面接同行や銀行口座の開設サポート、交通機関の利用方法まで含め、安心して働ける環境を提供してきました。
こうした細やかなサポートが口コミで広がり、今では多くの外国人が自然と集まる企業へと成長しました。
外国人の人材採用に特化した評価制度の導入
文化や価値観の違いが課題となりやすい外国人雇用において、弊社では独自の評価制度を導入しています。
国や経済状況が違うのは当然であり、違いを認識し、受け入れることが大切です。採用は基本的に口コミを中心に行われていますが、学校の先生から紹介されることも多くあります。
特に、ベトナム、ネパール、スリランカの留学生が多く在籍していますが、この傾向は創業当初から大きく変わっていません。
昨年導入した評価制度では、報告・連絡・相談(「ホウレンソウ」)の徹底が評価基準の一つに加えられており、日本人と外国人双方にとって信頼を築く基礎としての役割を果たしています。
この制度により、外国人スタッフと日本企業の双方が安心して成長できる職場環境を提供しています。
日本での暮らしを「全方位サポート」包括的に支援するための取り組み
弊社は外国人の生活全般をサポートする「登録支援機関」としての役割も担い、日本での生活基盤を安定させるための取り組みを行っています。
初めて日本に来た外国人に対して、住宅手配やガス・電気・水道の契約手続きなどを支援することは、「全方位サポート」という同社ならではの特徴です。
DXによるさらなる効率化と情報共有の推進
業務効率化のためにDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進していますが、情報共有の課題も残されています。
すでにシステム導入はしていますが、今後はさらに精度の高い情報共有を目指して新たなシステムの検討を進めています。
DX化を進めることで日本全国でのサポート展開を強化し、顧客企業と外国人スタッフに最適なサービスを届けたいと考えています。
教育が育む新しい未来の可能性
北は仙台から南は沖縄まで全国で授業を実施
外国人向け教育支援は、社会的にも注目される取り組みです。
弊社では、日本語学校・専門学校・大学での授業を通じて外国人が日本での生活に必要な語学力を身につけられるようサポートし、全国16か所での教育活動を展開しています。
7〜8年前に学校からのリクエストを受け、仙台から沖縄まで全国で授業を行っています。
こういった活動を通じて、日本社会への適応できる若い世代を育成していく。教育の現場からも、雇用支援できるような仕組み作りに力を入れています。
また、ビザ手続きや副業制限など、日本で働くための法的な知識を企業に正確に伝え、外国人スタッフと企業のミスマッチを防ぐことも大切にしています。
学校設立で未来の基盤を築く
今後の目標は、外国人向けの専門学校や大学の設立です。
日本の就職活動は、日本人と外国人では大きく異なります。
日本人は、新卒でも第二新卒でも、好きな時に就職できます。
しかし、外国人は決められた期間のなかで就職を決めなければ、帰国しなければなりません。
だからこそ、早い段階から支援を行いたいと考えています。
在学中に、就職に対するレクチャーまでしっかり行える場を作りたいという思いがあります。
そのなかで、内定が取れなかった場合の授業料を一部返還する仕組みを検討中です。弊社が伝えたルールを守った上で結果が出なければ、返還する。
でも、それで良いと思っています。結果を出させなければ学校として意味が無いですし、きちんとやっていただければ内定が取れると信じているので。
今後は、そういった「上流から」就職支援できる学校を設立したいと思っています。