障害を乗り越え、諦めずにキャリアを築き、最終的には、ご自身以外の障害のある方々を支援する立場になった増田雄基さんに障害者の就職や転職についてご寄稿いただきました。
株式会社U三
増田雄基さん
1985年、青森県むつ市で生まれる。幼少期に両親が離婚し、祖父母に育てられる。17歳で交通事故により左足を切断。その後、リハビリを経て短期留学を経験。
20代前半は様々なアルバイトを転々とし、24歳で輸入古着店を開業するも失敗。借金を抱え、27歳でサラリーマンとして再出発。
28歳で障害者雇用枠で大企業子会社の人事部に転職。その後、キャリアを積み、30歳で結婚。32歳で年収500万円を超え、息子も誕生。
35歳でIPO準備企業に転職するも、会社売却によりIPOが中止に。
37歳の2023年3月、自身の経験を活かし、障害者の転職支援を行う株式会社U三を設立。現在に至る。
障害者の就職・転職時には「障害特性の理解と整理」「キャリアの軸」が必要
ご自身の障害が先天的なものか後天的なものかでも変わってくるかと思います。
先天的なものであれば、ご自身の障害はよく理解されているでしょうから、自身に何が出来て何が出来ないかを整理した上で、他者にそれを綺麗に伝えられると良いです。
又、やれなくはないけど出来れば避けたいもの等も障害を持つ方にはあると思います。
それらを全て出来ないこととして伝えるのも良いのですが、就職先が中々決まらないような場合には今一度出来ないことの見直しをしてみるのも良いと思います。
病気や事故による後天的な障害の場合、特に既に社会人として活躍されていた方々が後天的に障害を持った場合はキャリアチェンジを余儀なくされることが多いです。
未経験職への転職となると年収が下がってしまうことが多いのが実情ですので、転職よりもまずは現職での部署異動等で復帰可能かどうかを検討されることをお勧めします。
現職内で復帰先を検討して頂き、そちらで活躍できるようであれば無理に転職をする必要はありません。
その上で転職という選択をする際は、未経験職へのチャレンジとなりますので、新しいことを一から受け入れていく気持ちが必要となります。
後天的・先天的に関わらず大事なこととしては、自身のキャリアに軸を作ることです。
軸のない転職の繰り返しはジョブホッパーになってしまう可能性が高く、そうなるとキャリアを築いていくことが難しくなり、年収の上がらない原因になってしまいます。
自身の軸を見つける、あるいはこの道でいくと覚悟を決めることが早ければ早いほど障害があっても年収を上げていくことが可能になります。
障害者のハードルを越えられる仕事を効率よく探すには「専門エージェント」の活用
現在の状況にもよりますが、既に何かしらの仕事を得ていてキャリアアップをしたいという場合には転職エージェント(人材紹介会社)のご利用をお勧めします。
エージェントの持つ求人というのは、企業側がエージェントに対して紹介料を支払ってでも採用をしたいという企業様です。
紹介料を支払って採用したのに早期退職となってしまうと企業側の負担が大きくなりますので、定着率の高い企業様が多いです。
障害者専門のエージェントであれば、自身に必要な配慮事項等を予め伝えた上で合う求人を提示してくれるので、応募前の段階で障害内容を説明するような手間を省くことが出来るでしょう。
現在仕事をしていない場合、エージェントを利用しても中々仕事が決まらないという場合には、とにかく職を得ることを優先する必要がありますので、ハローワークや求人サイト・求人誌に載っている求人を探してみましょう。
障害者ならではの転職サイトや転職エージェントの選び方
ご自身の障害内容や現在のキャリア、年収によって変わってきます。
障害内容が軽度で、キャリア形成も出来ている方であれば障害者用の転職サイトやエージェントに拘らず、一般枠での転職も視野に入ります。
障害者用の求人サイト・転職エージェントを利用する場合は、自身の障害をオープンに出来るのが何よりのメリットです。
求人を出している企業側も障害者雇用をするつもりで求人を出しておりますので、理解のある企業様が多いです。
どのサイト・エージェントを利用するにしても最終的に入社する判断は自身の責任で行いますので、そういった意味では求人数の多い大手企業の運営するサイト・エージェントに登録するのが無難です。
求人票の存在しない「身体障害特化型人材紹介サービス」を行っています
転職エージェントは大手へ登録するのが無難とお答えしました。
求人数の多さ=可能性の多さに繋がりますので、間違いはありません。
そんな中、弊社のような小さな人材紹介会社はどのようなことをしているのかを少しお話させて下さいませ。
弊社には求人票というものが殆どありません。就職・転職したいとご相談を頂いた方々の障害内容や将来の理想をお伺いした上で、ご活躍頂けそうな企業様にご相談に行きます。
そこで求職者の方専用の求人を用意して頂くような形を取っております。
私自身が義足を利用している障害当事者でもありますし、他社様の同時利用を推奨してもおりますので、就職・転職にお悩みの際には是非お気軽にご相談頂けますと幸いです。
障害者雇用を検討頂ける企業様からのご連絡もお待ちしております。
サービスページ:https://www.usan.jp/lp/usan-lp
株式会社U三
代表取締役 増田雄基