今回は一般社団法人日本若者キャリア支援協会の谷井せいなさんに、キャリア支援についてお伺いしました。

一般社団法人日本若者キャリア支援協会
谷井せいなさん
関西出身。大学を卒業後Webメディア運営会社に就職。
その後2023年にフリーランスとして独立し、現在は「一般社団法人日本若者キャリア支援協会」にて若者のキャリア支援に関わっている。
私は現在26歳で、『一般社団法人日本若者キャリア支援協会』を立ち上げ、若者のキャリア支援を中心に活動しています。関西出身で、学生時代からITやクリエイティブ分野に興味があり、プログラミング教育やイベント運営に携わりながら、自分なりにキャリアについて模索してきました。
『一般社団法人日本「若者」キャリア支援協会』とありますが、私が考える『若者』とは、25歳未満、つまり『アンダー25』の世代を指します。特に社会人3年目までの方々を対象としており、新卒で就職し、自分のキャリアの方向性が固まり始める時期を想定しています。この年代は、自身の将来について深く考え始める重要な時期であり、キャリア形成における大切な過渡期です。
今日は私自身の経験や活動についてお話ししながら、「若者のキャリア支援」に込めた想いを共有したいと思います。
学生時代から始まったキャリアへの模索

私が初めて「仕事って楽しいかも」と感じたのは、高校生のときでした。当時、生徒会で文化祭を担当していて、全体をまとめる映像制作を任されたんです。初めて動画編集に挑戦して、「人にフォーカスしたものを作る楽しさ」を知りました。それから友達の誕生日動画を作ったり、インターン先でオープニング動画を手掛けたりと、映像やデザイン、カメラなどクリエイティブな分野にどんどん惹かれていきました。
大学時代はさらに活動の幅を広げました。プログラミングやデザインを学びながら、イベント運営にも携わるようになりました。
会社員生活で判明した「自分に合わない働き方」

大学卒業後はWebメディア運営会社に就職しました。そこでは2年半ほど働きましたが、「1つの軸だけで働くこと」がどうしても自分には合わないと感じていました。私は中高時代から複数のコミュニティに属していて、多方面で活動することが好きだったんです。でも会社員になると、「ここだけ」という制約が強く感じられてしまって…。
例えば、副業には申請が必要だったり、決められた時間内だけで働かなければならなかったりと、自分が自由に動けない環境が窮屈でした。その結果、「趣味って何だろう?」とさえ思うようになってしまいました。私は常に忙しく動いている方が性に合っているので、この働き方では息苦しさしか感じられませんでした。
若者支援への想い:友人たちの苦悩から学んだこと

会社員時代には、自分だけでなく周囲にも苦しんでいる友人が多いことに気づきました。特に印象的だったのは、学生時代にはプログラミングやデザインなど好きなことを自由に楽しんでいた友人たちが、就職後にはその情熱を失ってしまう姿でした。
例えば、とある友人はプログラマーとして就職しましたが、その会社の社風や働き方が自分には合わず、次第に精神的な疲労を溜め込んでしまいました。「このままここで頑張らなければならない」という思い込みが強くなりすぎてしまったんですね。その結果、その友人は休職せざるを得なくなりました。
こうしたケースは1人や2人ではありませんでした。3カ月ごとくらいには誰かしらが「今、会社休んでいる」という話を耳にするほどでした。それもそのはず、多くの人が「学生時代だけが自由」という固定観念に縛られて、自分らしい生き方やキャリア選択肢を見失ってしまうからです。
活動内容:選択肢を広げる場作り

こうした経験から、「選択肢を広げる場」を作りたいという想いが強まりました。2023年にはフリーランスとして独立し、2025年1月には一般社団法人化しました。現在は、高校生や大学生向けにイベントやワークショップを開催し、多様なキャリアモデルと触れ合える機会を提供しています。
たとえば、また、大学生向けには「社会人との交流イベント」を開催しています。このイベントでは、副業や起業など多様な働き方について直接話せる場を用意しています。「自分に合った働き方が分からない」という社会人1年目の参加者が、副業経験豊富な先輩から具体的なアドバイスをもらえるような場です。
若者へのメッセージ:「一歩踏み出してほしい」

私自身もそうでしたが、自信がなくてもまず一歩踏み出すことが大切だと思っています。例えば、自分たちの活動内容や求めているものについて発信するだけでも良いんです。それによって共感してくれる大人や同世代とつながることができます。
最初から大きな目標を掲げる必要はありません。私はボードゲームなど気軽な交流会から始めてみることをおすすめしています。「何か話してみたい」「こんなこと考えている」と軽く話すだけでも、新しい発見があります。そして、その小さな成功体験が次への自信につながります。
今後の展望:キャリアフェス開催へ

今年中には「キャリアフェス」を開催したいと考えています。このフェスでは、中高大学生と社会人が一堂に会し、多様な働き方や価値観について触れ合える場となります。また、企業も参加し、自社の若手社員との交流や副業支援について情報提供する予定です。
このようなイベントを通じて、「自分らしいキャリア」を見つけるための選択肢を広げていきたいと思っています。そして最終的には、「若者が自信を持って未来へ進むためのお手伝い」ができれば嬉しいです。
最後に

若者、特に学生や社会人初期の方々へお伝えしたいのは、一人でキャリアを広げるには限界があるということです。自分だけで頑張るのではなく、他者と協力し、競争しながら成長することで、新たなブレイクスルーを得られる可能性があります。キャリアに悩む方は、ぜひ多くの人と出会い、その中で自分の可能性を見つけてほしいと思います。
私たちが取り組んでいる『一般社団法人日本若者キャリア支援協会』では、若者と企業をつなぐプラットフォームを提供しています。このプラットフォームでは、若者団体や企業が登録し、イベントやマッチングを通じて互いに支援し合える場を作っています。現在は招待制で運営していますが、2025年4月からは完全オープン化し、誰でも自由に参加できるようになります。
日本若者キャリア支援協会を通じて、同世代や先輩からのサポートを受けたい方々や、若者を応援したい企業の皆さまにぜひご参加いただきたいです。興味がある方は、4月以降に公式ページから登録可能となります。それまでは協会のメールアドレスにお問い合わせいただければ対応いたします。
office.jyc@gmail.com