【せんのみなと社長】年収ではなく自分らしい人生を求めて!新卒JACから年収800万円落として気付いた心に向き合うキャリア形成とは

地域資源を活用しながら、キャリアコンサルティングを行う高崎 澄香さんにお話を伺いました。

高崎さんは企業と個人のキャリア形成を進める事業を行っており、田舎の古民家でキャリアコンサルティングをするなど、さまざまな取り組みをされています。

「キャリアを形成する上で大切なことは?」「若い世代に伝えたいこと」について、事業の経験からお話しいただきました。

株式会社せんのみなと
代表取締役社長
高崎澄香さん

1994年、東京生まれ。大人の職業観を変えたいと思い、新卒でJAC Recruitmentに入社。企業の採用支援と個人のキャリアコンサルティングを実施。その後、スタートアップのYOUPACE(旧PRIME)に参画し、採用から人事業務全般を経験。2021年に「せんのみなと」を夫と創業し、田舎の古民家でキャリアコンサルティングプログラムの提供を開始。現在は、日常と離れた場での体験と生き方を言語化する「キャリアツーリズム®」を全国に広げようと活動中。

旅をするように、理想を叶えていく計画を楽しむ

高崎澄香さん

キャリアと言うと、一般的には「仕事における経歴」のような捉え方をされることが多いと思います。
私は仕事とプライベートの境目がないため、自分にとっての「キャリア」という言葉の意味を探している最中です。人生、生き様、生業…適切な言葉はまだ見つかっていないのですが、楽しく生きる上で向き合うべき重要な概念だと思います。

キャリアとは旅のようなもので、計画通りに進むこともあれば、思うようにいかないこともあります。ですが、新たな出会いや思わぬトラブルもひっくるめて、その計画を楽しんだ人にハッピーが舞い込んでくると思っています。

私がキャリアや計画について考える時は、「たぶんできるだろう」と良い未来を考えるようにしています。ただ楽観的に考えるのではなく、心から「理想を現実にできるかもしれない」と思えるまで考え抜き、計画に落とし込むことが大切です。
もちろん計画通りにいかないことばかりですが、その計画を楽しむことができれば、良い結果が舞い込んでくるかもしれません。

関わった方々との関係を大切にしている

プロジェクトで大切にしていることは、関わった方に「ここにいて良かった」と感じてもらうことです。一緒に同じ熱量で時間と頭を使ってコミットし、お互いが喜び合える瞬間が幸せです。自分自身、目の前に複数の道があった時には、できるだけ難しくて楽しそうな道を選ぶようにしているのですが、それはこういった感動を積み重ねるためなのかもしれません。

また、これまで関わった方から新たな決断や近況の報告をいただける時がうれしいです。
人生の潮目となる場に立ち会えたこともそうですが、それ以上に「あの人に報告したい」と思ってもらえる関係性が継続していることが自身の誇りに繋がっています。

最も印象に残っていることは「キャリア相談だけで日本一周」プロジェクト

以前、キャリア相談だけで日本一周をするプロジェクトを行ったことがあります。キャリア相談と何かを交換しながら1日1県、車で周っていくことにチャレンジしました。交換内容は自由で、ご飯や特産品をはじめ、ガソリン代や宿泊場所などさまざまです。相談の価値や存在意義を感じる貴重な機会になりました。

特に印象に残っているのは、「何を話そうかずっと準備していた」「何日も前からドキドキしながら過ごしていた」といったことを話してくださった方が何人もいらっしゃったことです。実際に家族と交渉して日程調整をしてくださったり、ノートにびっしり聞きたいことを書いてくださったりした方が何人もいらっしゃいました。それは「他人に個人的なことを話せる『非日常』の重要性」に気づいた瞬間であり、この経験が今の仕事の根幹になっています。

キャリア形成に必要なのは「心に向き合うこと」

やりたいことが決まっている方は、「どんな生き方をしていきたいか、どこでどんな人と一緒にいたいか」に向き合ってキャリア形成することをおすすめしたいです。自分の強みや弱みの把握も大切ですが、適性に囚われるとポテンシャルを狭めてしまうおそれがあるので、あまり気にする必要はないでしょう。

しかし、やりたいことや打ち込めることがないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際、私もご相談をよくいただきますが、やりたいことは見つけようとして見つかるものではないと思います。今の自分を棚卸しした上で、心に向き合って、現時点で納得できる場で最大限努力してみるのも1つの手です。そうすることで進みたい道が見えてきたり、選択肢が増えたりしてきます。

何よりも大切なことは自分をよく知る事だと思うので、心の声に耳を傾け、聞き逃さないようにしてみてください。

「人間力」と「意味づけをする力」が大事

「自分らしく生きる」という言葉を「自分の軸を持って生きる」と解釈すると、心地よく生きることができる場面が多くなると思います。「市場価値を高めたい」「やりたいことだけで生きたい」という意見もありますが、人間力が高まる予感がするキャリア形成を優先した方が、楽しい人生になると考えています。

例えば、コミュニケーションは苦手だから人と関わらない仕事を選ぼうという選択肢はもったいない。コミュニケーションは万能なスキルなので、そこを捨てるよりは”できるようになるプラン”も考えた方が、後々キャリアの選択肢は広がるはずです。

意味づけをする力も大切です。その力は、何かに取り組んだ時のやりがいや違和感を見逃さずに言語化することで高まります。今ここにいる理由が明確だと、モチベーションの上がり下がりが緩やかになったり、判断力や継続力が高くなったりします。乗り気でなかった今のキャリアが、実は将来やってみたいことに役立つかもしれません。失敗や成り行きを偶然にすることなく、意味を見出す。意味づけ力によって、自分にしかない人生になっていく瞬間に何度も立ち会ってきました。

現代は、人間の寿命が伸びているので、あまりタイムパフォーマンスやコストパフォーマンスを重視する必要はないと考えています。育ちや学歴のような、一端のキャリアを構成する要素に囚われない生き方があることを、さまざまな方法で伝えていきたいですね。また、そうした活動を通じて人が笑っている時間が少しでも伸びたらいいなと願っています。

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